月島 | 火田 | 水野 | 木崎 | 金本 | 土山 | 日村 |
ムーン | フレイ | ウェン | ツリー | ゴルド | ソイル | サン |
とある国立大学に通う大学三年生。
飲食店のバイトをし、特に刺激のない毎日を送っている。 余裕がなくそそっかしい上に、そんな自分に 自信が持てないでいる。 気が弱く周りにペースを合わせる性格。 |
とある女子高校に通う高校二年生。
テニス部に所属している。 気が強く言うことがキツく聞こえるが、 それはあくまで繊細な性格を隠すための振る舞いである。 恋愛に関してはかなり奥手。 |
一流商社を一昨年定年退職した初老の男性。
足を悪くした妻と二人暮らし。 気品と落ち着きを併せ持っている。 その優しい口調と物腰は話相手の気持ちを安心させる。 定年後の日常にえもいわれぬ空しさを感じていた。 |
五歳の少女。
共働きの両親を持つ。 人見知りが激しく、会話が苦手。 気を許した人間には極端になつく。 観察眼は鋭く、年の割りに考え方が大人びている。 |
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年齢や性格にこれといった共通点のない7人の男女。
彼らはある喫茶店を訪れる。
しかしこの喫茶店、不思議なところが多々ある。
彼ら店の常連客がこの店やその周りの規則について把握している内容をここに整理する。
そこには寝ているときに訪れることができる。
どうやら寝る前にかぐなんらかの「におい」と関連があるようだ。
そこに居る間は姿が変わり、顔や肌が動物のそれになる。
どのような動物の姿になるかは個人によって異なるが(犬、猫など)、どの姿でももとの人間の姿での活動をするには何の障害もない。
そこの店には「Carefree Chat」という名前がつけられている。
ただし客はあまりその店の名前を呼ぶことはない。
その店の中においてや店から「外出している」間は、店の客は自分の現実の世界での名前を名乗ってはならない。
彼らは代わりに自分で考えた名前を名乗る必要がある。
名前以外にもどうやら住んでいる場所なども明かしてはならないようであるが、
厳密にどこまで明かすことが許されているかを本人達も把握できていないため、
自分達のプライベートに関わる情報を用いてお互い会話する際、
固有名詞をなるべく使わないように意識している。
また、これらの規則に反した際のペナルティーの
有無やその内容を彼らは知らされていない。
これらの規則は基本的に喫茶店の店長(マスター)によって伝えられる。
この店では特定のメニューは存在しない。
客は何を注文するも自由だが、大抵のものはマスターが提供してくれる。
この店に来て間もない客に対して、マスターは 「出世払いでいい」といって飲食代を払わせない。
この店において、「店を出る」行為と「店から外出する」行為は異なるものである。
前者はこの世界から現実の世界へと戻る行為であり、
後者は物理的に喫茶店の外の町を歩き回る行為である。
店の外では、ここでの常連客らと同様の姿をした人々が
他の店を経営したりして生活をしている。
マスターを含め、彼らも現実の世界の住人であるかどうかは不明である。
「店を出る」、すなわち現実の世界へ戻る方法は、 この世界で眠りにつくことである。
眠りには一定期間の経過、あるいは現実世界での外界からの衝撃により
ほぼ強制的につくことになる。
店の内外に関わらずどこで眠っても「店を出る」ことは可能で、
再び入店する際は前回「店を出た」場所に関わらず
店の入り口のドアを持って立った状態で入店する。
原則として一度「店を出る」と、同じ日(厳密には同じ夜)に 連続して入店することはできないようである。
だが日を改めてから条件を満たして眠れば、何度でも再入店が可能である。