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ショートショートを作ろう!

その1

ただいま。

あら、おかえり。
思ったより遅かったのね。

あぁ、坊主どもに捕まっちゃってさ。

それで?
どうだったの、教師一日目は。

疲れたよ。
慣れない事はするもんじゃあないな。

なにそれ。
これから慣れていく事じゃないの。
…今みたいにムスッとした顔、
子供達に見せてないでしょうね。
あなたってただでさえ
表情で誤解されるような人なんだから。

う〜ん…
多分、してない。

どうだか。
ねぇ、気をつけなさいよ。
子供って、大人の表情を敏感に読み取るんだって。
生徒に嫌悪の表情でも見せてみなさい、
その子に一生モノのトラウマ植えつけることができるかもよ。

というか、俺としては
そのときの親の反応が恐ろしいね。

確かにそうかも。
モンスターペアレントってやつ?
あーいうのに目の敵にでもされたら
あんたの教師生命危ういかもよー。

おいおい、脅すなよ。
…あー、やっぱり俺教師向いてないかもなー。
もともと、周りに流された末にちびっ子相手の先生に
なっちゃったわけだしさぁ。

ふふ、でも良かった。
いい調子なんでしょ?

は?
俺、帰ってきてから全く肯定的な感想述べた覚えないんだけど。

わかるのよ。
あなた、私とか、他の人と話すとき、
ムスッとして話し続けるときのほうが
機嫌の良い時だったりするんだもの。
機嫌の悪いときは笑顔なんだけど、
明らかに空気が凍り付いてるって言うか、
無理してるって感じだからさ。

げっ、そうなの?
じゃあ、今日自分が坊主どもに向けた笑顔とか、
自分の機嫌の悪さの表れだったのか?

ううん、多分違うんじゃない?
現場を見てないから、私、推測でしかものを言えないけど。
…あなた、子供達の前だと素直に感情表現できるんじゃない?
実際今日の疲れも今まで出さなかったような感情表現をしたからであって、
ストレス的なものはあんまり溜まってなかったりして。

いや〜、それはないんじゃねぇの?

少なくとも、生徒にとっては好印象だったんじゃないの?
そうじゃなきゃ、放課後に先生をひきとめたりしないわよ。
あ〜あ。
あなたの素直な表情を見られる立場だなんて、なんだか嫉妬しちゃう。

なーに言ってんだよ。
あっ、そうだ。
俺、これから生徒達に書かせる用の
「好きなものリスト」みたいなの
作ってみたいんだけど。
プロフィールみたいなの?
お前、そういうの作るの得意だろ、
手伝ってくんない?

…私の好きなものもロクに覚えてないくせに。
もう、知らない!

ちょっ…待てよ。
…もしかしてホントにすねちゃったのか?

…ふふ、なんてね。
でも、意外と本当にあなたにとって天職かもよ、
子供たち相手の先生って。

…まだわからないさ。



〜おしまい〜

駄文一覧に戻る 「その2」に続く

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